脳神経外科 雪上直人 医師
東京西を選んだ理由を教えてください
私は岡山県の津山中央病院という県北の救急全てが来る病院で初期研修を始め、そのまま脳神経外科を専攻しました。
脳神経外科3年目になって今後の進路をどうしようかと考えていた時に、山口大学医学部空手道部のOBの天野先生に連絡をしてみたところ、天野先生は名古屋徳洲会総合病院で脳神経外科部長をされていました。天野先生は空手道部時代は初心者から始めたのに国体に出る様なセンス溢れる猛者でしたが、名古屋徳洲会脳神経外科では、1人で年間150件超の手術を行う超級猛者でした(ほとんど開頭穿頭手術だけで)。
地域の需要の高さをみても自分に活躍の機会があると思い、名古屋徳洲会へ脳神経外科4年目で入職しました。名古屋徳洲会病院に入職して2年目で脳神経外科専門医も取り、その後愛知医科大学病院で1年間の脳血管内治療と脊髄外科の研修を行いました。開頭・穿頭・頚動脈手術を基本としつつ、脳血管内治療への移行の時代潮流にも乗りつつ、脊椎脊髄外科手術を通してもマイクロサージャリ―を行うという形で、救急市中病院の脳神経外科医として最大限の活動をしてきました。名古屋徳洲会脳神経外科の仲間も増えて、脳神経外科3人で年間手術件数380件になった時、東京西徳洲会病院から脳神経外科ヘルプの依頼を貰いました。
元々30代のうちに自分のチームを作り始めたいという希望もありました。東京西は徳洲会らしく地域の救急疾患の需要も高く、なおかつ今後は新病院への建て替えの話もあるとのことで、自分が活躍できる場としてこれ以上のポテンシャルがある病院はなかなか無いだろうと考え、2024年8月に赴任しました。
現在の脳神経外科の体制について教えてください
常勤医は脳神経外科専門医・指導医の私1人ですが、以前から外来、当直、手術を行ってくださっている非常勤の先生方が、様々なサポートを行ってくださっています。入院管理についても、病棟看護師、リハビリテーション、薬剤師、栄養科、ソーシャルワーカー、医療秘書と、多職種のサポートをいただいています。脳神経外科救急は月20日以上は開いています。常勤医としては、救急対応、手術、入院管理を主な仕事としています。
常勤から開始して、3ヶ月で49件と約200件の年間手術件数ペースで、内容としては開頭穿頭-血管内治療-脊椎脊髄で約75-65-50件の年間手術件数ペースです。
今後の展望についてはどのように考えていますか?
2025年度から複数の脳神経外科プログラムと提携して、後期研修医も1人入職予定ですので、2025年度は年間250件程度の手術件数を目標にします。脳神経外科専門医の増員で毎日の脳神経外科・脳卒中の救急受け入れを行えるようにできれば、さらに症例数は増える需要はあると感じています。
数年後の新病院への建て替え時には5、6人の常勤医で年間500件程度の手術件数を行える病院を目指したいと思っています。現在は脳血管内治療専門医や脊椎脊髄外科専門医の資格を当院のみで取得することはできませんが、提携施設での研修を挟んで取得できるようにしていきます。
最後に、現在入職を検討されている先生方に当院のアピールをお願いします
東京西徳洲会病院は今年度から脳神経外科再立ち上げを行っており、救急需要は高く、新病院への建て替え予定もあります。私自身も転職を機にいろいろな病院の情報と見比べましたが、これ以上のポテンシャルがある病院は他に見つかりませんでした。
血管内治療専門医や脊椎脊髄外科専門医など、執刀資格に直結する専門医の取得も行えるようにしてゆく方針です。開頭手術から脳血管内治療へどんどんと移行していくこの時代に、救急市中病院系の脳神経外科医師として、そしてマイクロサージャリー術者としても最大限の活躍をするためには、開頭穿頭手術と脳血管内治療に加えて脊椎脊髄外科も行えるようになることは、大きな強みになります。脳神経外科専門医取得後などで、今後市中病院最前線で脳神経外科を行なっていきたい先生方には是非お勧めします。
もちろん、それぞれの分野に特化したいという先生方も歓迎致します。新しく始まる脳神経外科内のそれぞれの分野のリーダーとして、大きく活躍する場があると思います。専門医取得後の先生には、基本的手術の経験を得る良い機会になると思います。
脳神経外科に携わりたい初期研修医や後期研修医もいますので、皆で指導して若い力を取り入れつつ、今、最も勢いのある脳神経外科をいっしょに作っていきましょう。
(このインタビューは2024年11月に行いました)
プロフィール
雪上 直人(ユキウエ タダト)
脳神経外科 部長
出身大学
山口大学(2011年卒)